第8回「娘の家出」志村貴子
第8回「娘の家出」
作者:志村貴子
久しぶりにめっけもんを読みましたので、お勧めします。
私の好きな女子高生青春物です。
キラッキラのいい仕事してますよ!!
ぜひどうぞ!
〔ストーリー〕
主人公まゆちゃんがお父さんの家に家出。
「?」
そう。離婚したお父さんの家に「おかあさんの再婚の相談」をしに。
そして、お父さんはすでに男のパートーナーが居て、まゆちゃんの初恋の人だったりして・・。
そんな第一話から始まり、
同じ高校生の仲良し4人チームからその彼氏と友達、両親、彼氏のお母さん、高校の先生、引きこもりの同級生たちの日常が描かれています。
最終話は、まゆちゃん達の高校卒業まで。
全6巻で比較的手に取りやすく、1話完結なのでお忙しいあなたにもおすすめです。
おススメポイント
○日常
いわゆる普通じゃない非日常の中に日常が見え、日常の中に非日常が見えます。
本当の普通って何だろう。
朝目が覚めたら、ご飯を食べて、学校や仕事へ行き、夕方になれば家に帰る。
そして、何事もなかったように寝る。
これがおそらく日本人の一般的な普通。
でも、普通って思っていることが、一番奇跡なんじゃないか?
こんなに普通に毎日が過ごせるありがたさ。
そして、その日常に少しのスパイスとして起こる嫌な事、嬉しいこと。
当事者にとればそれは非日常で天地も揺るがす大事件だけれど。
それも含めてやっぱり日常。
嬉しい、楽しいこと、つらいこと、逃げ出したいこと、一杯あるけど
日々の日常に感謝。
そんな感想を思わず感じてしまいます。
○ジェンダーフリー
人を慕う話が出てきます。それは、友情だったり、家族愛だったり。
そして、愛情の中には生物的(生殖を伴わない)にあり得ない形だったりします。
それでも相手を思う気持ちに差はなく、相手を思い、傷つき、満たされ、幸せになります。
ここでもやはり普通とは何か?を考えさせられます。
○瑞々しい感性
年代、性別、立場それぞれの悩みや生活が描かれていますが、どの人にもそれぞれの悩みがあり、大人が改めて読むと共感しすぎてしまいます。
話中に
母「いろいろあっての今が今日なのよ」
姉「おまえらの正しさってむかつく。正しいってそんなにえらいの?
弟「オレずっと優等生だったから、姉ちゃんみたいにぶつかり合える少しうらやましい」
姉「言いたきゃ言えばいいし、言いたくなければ言わなくてもいい。
なんで正しくあることにこだわるの?すこしでも間違えたら間違えたらだめなの?」
「理由あってまぶた全部をおおちゃうくらい前髪を伸ばしていた女の子なんだけど、
前髪をひらいた新しい世界がみえたの」
「卒業おめでとう。
これまでありがとう、これからもよろしくね。
いろいろあったね~。あった、あった。
でも、ふり返るのはまだもーすこし先でもいいよね。」
名作が多い作者ですが、知名度はまだまだこれからです。
いまからチェックしてもいいかもですよ!
久しぶりでしたが、今回もよいマンガをお勧めできたと思います。
このマンガであなたの人生が豊かなものになりますように。
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- 作者: 志村貴子
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