徒然 漫画評記

徒然なるままに

第4回「重版出来」(じゅうはんしゅったい)

こんばんは。レイチェルです。

さて、皆さん マンガ読んでますか?
大人になって読まなくなったな~。ってい人多いと思います。

でも、今だからこそ心に響くって事もあるんですよ。
ぜひ時間を作って読んでみてください。

 

今回、ご紹介するのは
ドラマにもなったので知っている人も多いと思います!

 

 

「重版出来」(じゅうはんしゅったい)
作者 松田奈緒子先生

2014年 日本経済新聞「仕事マンガランキング 1位」
2016年第62回 小学館漫画賞 受賞

既刊 10巻(続いています)

仕事マンガにランキングされたように、編集者という仕事を通して
仕事にまつわる話が存分に表現されており、ぜひ大人に読んで欲しい逸品です。
それでは、私が考える見どころをお伝えします!!

 

〇ストーリー
柔道一筋 オリンピック候補まで進んだ 黒沢 心 (女子)は、ケガ等により
柔道を引退し 出版会社に就職しマンガ編集者となる。
個性豊かなマンガ家たちと笑い泣き励ましあいながらのリアル奮闘記。


〇ゼロから生み出す苦悩
素人からすればマンガ家なんて才能の塊。スイスイ面白いものが出るんじゃない?と
思いがちですが、やっぱりそれは人の子 ゼロから作品を作るという生みの作業は壮絶です。
OKが出なくて心が折れる日、なにもかもが嫌になって投げ出す日、自分だけが取り残されたような日。でも、やっぱり好きだからマンガを描きます。
その一途な姿は美しい。

〇嫉妬
同じジャンルで勝負する人達だから、周りはライバルだらけ。
みんな仲良くなんていられない。「あいつはデビューか。」「あいつは賞とった」
それに比べて自分は・・。
一人はそれを糧にし、一人は才能に見切りをつけて。
建前のキレイゴトではない人間の本性が表現されています。

〇全員主人公
ストーリーの作り方ですが、サブの登場人物が主人公になり話が進みます。
また、何話単位で完結するすごく読みやすいです。
マンガに携わるという以外は性別年齢職業等違いますが、
全員真剣に生きている感じがすごく面白いです。
もちろん、性格も立場もちがうので 物事の捉え方が
人物によって違い 作品に奥行きが出ています。
きっと読みながら複数の登場人物に共感し涙するでしょう。

 

〇追伸
このマンガの作者はおそら心理学を学んでいると思われます。
所々に専門的な単語が出てきますし、かなり繊細な心の動きが読み取れます。
だからこそ、大人に読んで欲しいマンガなのです!

残念ながら完結はしていませんが、小さい単位での読み切り風なので
十分楽しめると思います。

最後に作中に出てくる心に刺さる言葉をお伝えします。
皆さんの人生にも刺さりますように・・。


「言いたいことも言えない世の中なんじゃない。
自分だ、自分が言えばいいんだ。
好きだ!好きだ!お前の欲望を俺は認める!!」

「自分の気持ちを見届けなきゃ。
今までありがとうございました。
努力を重ねている人たちに恥ずかしくない自分でいたいんです」


最後までお読みいただきありがとうございました。

このマンガであなたの人生が少しでも豊かなものになりますように。